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ズグロカモメの現状~日中ズグロカモメ共同調査~ ズグロカモメは世界的に絶滅の恐れのある渡り鳥で、環境省のレッドリストで絶滅危惧2類として掲載されています。 主に、中国東部沿岸の塩性湿地で繁殖し、日本・韓国・中国南部・台湾・ベトナムなどで越冬します(図(PDF237KB):ズグロカモメの主な繁殖地と越冬地)。 その総数は7,000~9,000羽といわれ、日本では九州の干潟を中心に2,000羽以上が渡来し、北九州市小倉南区曽根干潟では、約300羽が越冬します(下写真:抱卵中のズグロカモメ(1997年6月双台河口自然保護区にて岡部海都氏撮影))。 北九州市の提唱で、1996 年から日中ズグロカモメ共同調査が開始されました。世界最大のズグロカモメ繁殖地である中国遼寧省の遼寧双台河口国家級自然保護区と、九州を中心とする西日本の干潟で、現在も調査が継続されています。
調査概要 中国
調査地:遼寧双台河口国家級自然保護区(遼寧省盤錦市) 約800平方キロメートルの広大な保護区で、世界最大のズグロカモメ繁殖地、タンチョウの繁殖地の南限、多種多数の渡り鳥の通過地として知られ、2004年にはラムサール条約登録湿地になりました。 調査内容:毎年6月にズグロカモメの繁殖成鳥数のカウントを行うとともに、標識用の赤色フラッグを主に雛に装着し、放鳥しています。 (写真:赤色フラッグを付けられたズグロカモメの雛(2004年6月双台自然保護区)) 日本
調査地:北九州市曽根干潟及び九州各地の干潟 調査内容:毎年冬期にズグロカモメの越冬数のカウントを行うとともに、標識個体の発見に努めています。 なお、1996年度冬期には曽根干潟で標識用の黄色フラッグを越冬個体に装着し、放鳥しました。 (写真:黄色フラッグを付けられたズグロカモメの若鳥(1997年曽根干潟)) ズグロカモメの現状 (1)繁殖地の状況 双台河口自然保護区では、1996年には繁殖コロニーで2,150羽の成鳥をカウントしました。
その後の調査期間中、同保護区では農業用貯水池造成、油田開発、紙パルプ原料用のヨシ原の拡大、エビ養殖場造成が進められ、2003年にはズグロカモメの繁殖に適した塩性湿地はほとんどなくなってしまいました。 しかし、2004年には、同保護区管理所の指導で、もと塩性湿地のエビ養殖池の水位調整が行われた結果、4,300羽の成鳥が繁殖コロニーで確認できました(左写真:水位調整をしたエビ養殖池(2004年6月双台河口自然保護区))。依然として、同保護区はズグロカモメの保全にとって極めて重要な繁殖地であることがわかります。 今後のズグロカモメの保全を図るために、同保護区での恒久的な保全策が早急に求められています。 (2)越冬地への状況 曽根干潟へのズグロカモメの渡来数は、各年度の最大値でみてみると、最初の記録のある昭和51年度から平成元年度までは10羽から20羽程度でした。 しかし、その後は急激に渡来数が増加して、平成3年度から200羽前後を維持するようになりました。さらには、平成9年度以降は漸増傾向が続き、近年は300羽前後を数えるようになりました。この傾向は日本に渡来するズグロカモメ全体にもあてはまるようです。 
(武下ら(Strix1993)及び北九州市曽根干潟環境調査報告書より) 毎年、曽根干潟への渡来は10月末頃から始まり、11月中に多くの個体が渡ってきて、12月から2月までの間はほぼ安定した数を維持します。 しかし、3月中には次々に繁殖地へと渡去していき、4月始めにはほとんどいなくなります。 干潟での行動は、潮がひいて干潟が広く干出している時には、主に汀線付近に沿って飛翔し、急降下をしてカニ類を捕らえて食べます。潮が満ちてくると大野川河口の砂州やその沖の海上で休息します。日没後には沖合に移動し、海上で眠ります。 (3)標識個体の移動 双台河口自然保護区で標識された赤色フラッグ付きのズグロカモメは、冬期に西日本各地の干潟で発見、確認されています(図(PDF326KB):赤色フラッグ付きズグロカモメの発見場所)。 このことは、日本の干潟の保全は、ズグロカモメの保護にとってもかかせないことを示しています。また干潟に依存する他の生物種の存続にとっても、日本各地の干潟の保全は必要です。 標識個体の発見・確認のご協力をお願いします! 現在、ズグロカモメの片足に付けられている標識フラッグの色の種類は、 - 赤色:中国双台河口で標識
- 白色:韓国で標識
- 緑色:中国黄河河口で標識
- 青色:中国江蘇省塩城で標識
- 黄色(現在は退色して白色に見える):北九州市曽根干潟で標識
の5種類です。 それらには、個体識別用に2文字(A~Zや0~9)が書き込まれています。また最近の放鳥では、カラーリング(赤、黄、緑、白、青、ピンクのいずれか)1個を他の片足にも付けています。 (下写真(左から):赤色フラッグ、白色フラッグ、緑色フラッグ、もと黄色フラッグ(すべて曽根干潟にて中尾寛作氏撮影))    
もし発見された場合には、下記までご連絡いただきますようお願いいたします。 PDFをご覧頂くためには、Adobe Systems(アドビシステムズ)社が無償で提供するソフトウエア「Adobe Reader(アドビリーダ)」が必要です。アドビリーダはこちらで入手できます(外部リンク)。
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